唐辛子
2022年8月17日 08:13
〇唐辛子とは
唐辛子はナス科トウガラシ属の植物で、原産国は中南米です。
中南米からヨーロッパに伝わって、インドや中国を経由し、16世紀に日本へ伝わったといわれており、世界中で数千種類もの品種が栽培され、韓国料理や中華料理、エスニック料理、カレーなど、さまざまな料理に欠かせない存在です。
ピーマンやパプリカも唐辛子と同じナス科トウガラシ属の植物で、一般的な赤唐辛子や青唐辛子のほか、黄色やオレンジ、紫などの品種もあります。
〇唐辛子の辛さ
・カプサイシン
唐辛子が辛いのは辛味成分であるカプサイシンが含まれています。
カプサイシンは、ワタと呼ばれる胎座という部分で作られており、この部分に特に多く含まれています。
カプサイシンが唐辛子に含まれているのは、動物に食べられないようにするためなのですが、動物のなかでも遠くまで種子を運び生息地を広げてくれる鳥は、唐辛子の辛味を感じないようです。
唐辛子の辛さを左右するのは、その唐辛子に含まれているカプサイシンの量です。
カプサイシンの量は品種によって異なり、辛い品種と辛くない品種があります。
ちなみに、同じ品種でも栽培地や栽培している期間の天候、収穫した時期によってもカプサイシンの量は変わります。
・スコヴィル値
激辛料理などを紹介するテレビ番組などで「スコヴィル値」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
スコヴィル値は辛さを表現する単位(SHU)で、数値が高いほど辛いということになります。
スコヴィル値は、1912年に科学者のスコヴィル氏が考案したもので、対象とする唐辛子の辛味成分を砂糖水で薄めた場合、どのくらいの希釈倍率にすれば辛さを感じなくなるのかを表しました。
例えば、100SHUの唐辛子があった場合、その唐辛子の辛味成分を抽出して、砂糖水で100倍に希釈したら辛味を感じなくなったということになります。
しかし、人の舌に頼ることで主観も入ってしまうので近年は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でカプサイシンの量を測ることで辛さを測定するようになりました。 HPLCで測定したカプサイシンの量をスコヴィル値に変換することが一般的になりました。
※カプサイシンは少量であれば、口や食道、胃が適度に刺激を受けて唾液が出ることで食欲の増進を促します。
〇唐辛子の種類
・鷹の爪:40,000~50,000SHU
長さ3~5cmの実が上向きに付く様子が、鷹の爪を思わせることから名前が付けられた唐辛子の品種です。
真っ赤に熟した実を生や乾燥させ、様々な料理に利用します。また、一味の原料でもあります。
育てやすく、日本でも盛んに栽培されています。
・唐辛子:50,000~100,000SHU
九州から沖縄にかけて栽培される唐辛子の品種です。
果実は2~3cmほどで、泡盛に漬け込んだ「こーれーぐーす」
という調味料は沖縄の名産品の1つになっています。
・ハバネロ:100,000~350,000SHU
超激辛唐辛子として世界的に知られる品種で、猛烈な辛さの中にフルーティな香りがあるのが特徴です。
実は2~6cmほどで、丸みがあり、オレンジ色をしています。
日本ではお菓子に使われたことで知られるようになり、激辛ブームの火付け役となりました。
・キャロライナ・リーパー:3,000,000SHU
世界一辛い唐辛子として、2013年にギネス認定された、世界で最も辛い唐辛子です(2015年10月時点)。
目に触れると、失明の恐れがあるほど危険なことで知られ、口にした瞬間に気絶してしまうといわれています。
調理の際には、防護服を着用するそうです。
おすすめレシピ:簡単ゴーヤの漬物(中華風)
材料 (作りやすい分量)
ゴーヤ 1本
A しょうゆ 大さじ1と1/3
A 砂糖 小さじ1
A 塩 小さじ1/4
A 唐辛子(種を取り輪切り) 1/2本
ごま油 小さじ2
①種とワタを取って5mmの薄切りにする。
②ポリ袋にゴーヤとAを入れ、冷蔵庫で3〜4時間漬けておく。
③ゴーヤに味が染み込んだら、ごま油を加え全体に混ぜ合わせて出来上がり。