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ワンポイントメディカル「房室ブロック」

2015年5月25日 08:23

私たちの心臓は、生まれてからずっと夜も休まず働いています。成人は正常であれば安静時1分間に60回から80回位で動いています。kensitu2   房室ブロックは心臓の刺激伝導システムのどこかに異常が生じると、心臓の内部で伝導時間の延長や伝導の途絶えが起こります。これをブロックといいます。この病気では、心房からの刺激が心室に伝わる過程に異常があるために、心室の興奮が通常より遅れたり、欠落したりしてしまい(これを心房-心室間の伝導ブロック、房室ブロックという)、脈が遅くなります。   ○急に起こる房室ブロックの原因 心筋梗塞、異型狭心症、心筋炎などの心臓病、薬剤性(β(ベータ)遮断薬など)、高カリウム血症、過度の迷走神経亢進状態などがあります。慢性あるいは再発性の房室ブロックの原因としては、冠動脈疾患、心筋症、心サルコイドーシス、膠原病、先天性ブロックなどが知られています。 ○症状の現れ方 ブロックは起こり方によって、持続性のものと時々現れるもの(一過性、間欠性)があります。一過性、間欠性の場合には房室ブロックが現れた時にのみ除脈(じょみゃく)になります。持続性房室ブロックでは、除脈の種類により心不全(息切れ、浮腫など)に至ることもあります。 ○検査と診断 心電図の波形から3つに分けられます。心房から心室の伝導時間が病的に長い第一度ブロック、心房から心室への刺激の一部が心室に伝わらない第二度ブロック、心房から心室への伝導が完全になくなってまったく心室に伝わらない第三度ブロックです。第一度ブロックでは除脈にはなりませんが、第二度・第三度ブロックでは脈が遅くなり予備の刺激中枢から発生する刺激により心臓が興奮します。これを補充調律といいます。一過性、間欠性ブロックの診断には、長時間の心電図記録(ホルター心電図・植込型ループレコーダー)が必要になります。心臓電気生理学的検査では、刺激伝導システム内のどこで房室ブロックを起こしているかがわかり、重症度の判定に有用です。 ○治療の方法 薬物・電解質以上・虚血(きょけつ)などの原因の明らかなものはそれを取り除きます。アダムス・ストークス症候群(※心臓が鼓動するために必要な洞結節からの刺激伝導経路に障害がおき、心臓が正常に収縮しなくなります。そのため、心臓から脳への血流が急激に減少して起こる発作です。めまい、意識障害、全身けいれん、尿失禁、脈が触れにくく遅くなる(除脈)などがみられます。通常、数分内に意識回復しますが、心臓の活動が正常に戻らなければ突然死することもある)などによる緊急時には、一時的に心臓を体外から刺激する(ペーシングする)方法が確実です。静脈から電極カテーテルを右心室に入れて、1分間に60回以上刺激します。β(ベータ)刺激薬やアトロピンの投与はペーシング実施まで行なえる方法です。 一般的には、第一度ブロックは治療不要です。第二度・第三度ブロックで脳の虚血症状があれば、脈拍数を増やす治療が必要です。除脈が続く場合には、恒久的にペースメーカーを植え込む必要があります。   《房室ブロックにきづいたら》 kensitu1 高血圧や頻脈性(ひんみゃくせい)不整脈の治療の為に房室ブロックを来す可能性のある薬剤を内服している場合には主治医に至急指示をあおぐ必要があります。また、ペースメーカー治療などについては循環器専門医の治療を受けることが必要です。   社会福祉法人 南東北福祉事業団 総合南東北福祉センター 看護部 この記事は同グループが掲載した記事を転載したものです。 元記事(http://www.kaigo-hiwada.com/onepoint/003572.html)   キーワード
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