住環境整備の工夫について②(トイレ・お風呂編)
2017年8月 9日 12:00
今回はトイレ・浴室の工夫について触れたいと思います。
●トイレ
・寝室との距離はできるだけ短く、隣接しているほうが良いです。高齢者になるとトイレの使用回数が増えるため、距離が遠いと焦ってしまいがちです。
・スペース
①排泄動作が自立の場合
→間口910mm×奥行き1365mm
→1515mmなら立ち座り動作に余裕ができます。
②要介護が必要な場合
→便器側方、前方500mm以上の介護スペース
→利用者と介護者と打ち合わせて便器位置を設定しましょう。
③トイレ・洗面・脱衣室の共有化
→介護スペースの節約・建具の削減になります。
・手すり…用途別に設置
①立ち座り用の縦手すり
→便器の先端より150~300mm前方
→身体機能の低下により便器から遠い位置、低い位置が使いやすくなります。
②横手すり
→便器中心から左右に350mm振り分けた位置
→高さ車イスのアームレストと同じ高さ
→便器の座面から220~250mm上方
・建具・・・引き戸、外開きが安全です。
・設置に関して
①寝室の配慮(トイレが隣接する場合)
→消音型便器の使用
→換気機能、消臭機能設置
②暖房設備
→暖房便座、室暖房機器の併用
→壁埋め込み式を基本として設置
●お風呂
・温度差をなくす
冬場に暖かい居室から寒い浴室へ、さらに熱い浴槽へという急激な温度差が脳や心臓に負担をかけ、これが大きな事故につながっています。寒い時期にはあらかじめ浴室を暖めておきましょう。
・危険をなくす
浴室は水濡れ、石鹸、洗面器など転倒の原因となるモノが多い危険な場所です。 無防備な裸であること、一人で利用することからも、特に安全性に配慮する必要があります。滑り止めや手すりが必要です。
①出入口の幅は650mm以上確保。ドアは引き戸か外開き戸にし、外からも解錠できるようにする
②浴室の出入りを助ける手すり
③脱衣所と浴室の段差は0〜20mmにして、つまずきを防ぐ
④楽な姿勢で使用できる洗面カウンター
⑤滑りにくい床材
⑥洗い場の立ち座りを助ける手すり
⑦浴槽の縁を広く取り、腰掛けて出入りできるように
⑧浴槽はまたぎやすい高さに(30〜45cm)
⑨冬場も暖かく、カラッと快適に保つ浴室暖房乾燥機
⑩ガラスは割れると危険なので、使用しないか、安全ガラスに替える
高齢者の方で要介護、要支援に認定されている方は、介護保険を利用したリフォームも可能で、各自治体が補助金を出しています。ほとんどの各市町村で対応していますので、詳しくはお住まいの地域の介護保険課へ問い合わせしてみてください。

