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足のむくみはなぜ起きる?~原因と対処法~

2025年10月30日 17:00

 足の腫れ、むくみはよく見られる症状です。
その原因はさまざまであり、いくつかの要素が関係していることも多いのです。
また中には重大な疾患が隠れている場合もあります。
足の腫れむくみの原因としては全身性の原因と局所的な原因に分けられます。  

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A. 全身性の原因

全身性の浮腫をきたすため手や背中などもむくむことがあります。多くは両方の足に押すとへこんで戻らないようなむくみの症状が出ます。

心不全、心負荷

心臓の働きが弱ると血管内に余分な水分が溜まってきます。その水分が血管の外にしみだしてむくみの原因となります。息切れなどの症状を伴うこともあります。

腎不全

腎臓の働きが低下して余分な水分や塩分を排泄できなくなることにより、心不全と同様に余分な水分が溜まってきます。また大量に尿タンパクが出ると血液中のタンパクが減ってしまい、これもむくみの原因となります。

低栄養

何らかの原因で食事が十分にとれない場合、または腸や腎臓からタンパクがもれてしまう病気では血中のアルブミン値が低下します。栄養管理が重要になってきます。

薬剤性

薬の中にはその副作用でむくみが生じるものがあります。代表的なものは副腎皮質ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、カルシウム拮抗剤(高血圧の薬)、ピオグリタゾン(高糖尿病薬)などです。

その他

肝不全や甲状腺機能低下、副腎皮質ホルモンの異常症などの内分泌疾患、関節リウマチなどのアレルギー疾患などでも浮腫がみられる場合があります。

B.局所的な原因

足に腫れる原因がある場合です。片方の足の場合が多いですが、両足が腫れることもあります。赤く腫れたり、熱を持ったり、痛みを伴うこともあります。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は足の静脈がこぶのように膨らむ病気で見ればすぐにわかります。静脈の弁の働きが壊れて血液が逆流することが原因です。足がだるいとか重い、つりやすいなどの症状があります。

深部静脈血栓症

足の静脈が血栓でつまってしまう病気です。片方の足全体が急に赤く腫れます。病気やけがで寝ている時や長時間乗り物に乗っている時などに起きやすいといわれています。肺塞栓症(エコノミー症候群)の原因となる可能性があります。

リンパ浮腫

リンパの流れが悪く足が腫れる病気です。生まれつきリンパ管の発達が悪い1次性リンパ浮腫と手術や放射線治療によりおこる2次性リンパ浮腫があります。片方の足の場合が多いですが両足のこともあります。

蜂窩織炎

細菌が足に入ることにより炎症を起こし腫れた状態です。けがや巻き爪、水虫などから菌が入る場合もあります。赤く腫れ熱を持ち、痛みを伴います。

皮膚病変

湿疹や皮膚炎、虫刺され、しもやけなどの皮膚の疾患に伴い足が腫れる場合もあります。

腫瘍

腹部や骨盤内の腫瘍により静脈やリンパの流れが妨げられることにより足が腫れることもあります。

体位によるもの

横になって寝ることができず、24時間座っている方はどうしても足が腫れてしまいます。

  1. 改善・解消に向けた必要なリハビリとは?

足のむくみの改善を目指すにあたって、今回は実際に臨床現場で実践、指導をしているリハビリ内容を一部紹介いたします。

①ストレッチ・マッサージ

血液やリンパの流れを良くするイメージで足首から膝裏にかけて手のひら全体で軽く揉みながらさすってあげてください。また、ハムストリングスからふくらはぎにかけてゆっくり伸ばしてあげてください。

1.png②ウォーキング、足の運動

足の血流が筋肉の働き(特にふくらはぎ)によりポンプ作用で心臓に送り返されるため、血液がたまりにくくなります。また、ウォーキングは全身の代謝を上げ、むくみを抑えることもできます。

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③むくみが強いときの対応

上記の内容が行えない場合や、急にむくみが強くなったときは、足に枕を置いて心臓より高く上げて休むと、血液が心臓に戻りやすくなり、むくみが引きやすくなります。また、弾性ストッキングなどを使用することで循環を良くする効果があります。

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最後に

比較的良くみられる症状となりますが、原因は多岐にわたります。
どうしても気になる場合は、医療機関に相談しましょう。その際にはどの科にかかればよいか迷われることがあると思います。
その際には主治医に相談するか、今回の内容を参考にして、診察の予約をされてみてはいかがでしょうか。

参考資料:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/09.html

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