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認知症について②『あなたの親は大丈夫? 認知症の主な症状』

2019年3月20日 10:06

あなたの親は大丈夫? 認知症の主な症状 認知症は身近な親族だけでなく、自分の身に起こるかもしれません。認知症の主な症状を挙げますので、チェックしてください。   ●認知症の初期症状「同じことを繰り返し言う」「以前はできていたことができなくなる」「同じ服ばかり着る」「物忘れや探し物の回数が増えるなどが挙げられます。自分の年齢や「今日は何年何月何日の何曜日か」「今の季節は何か」「今どこにいるか」などがわからなくなっている様子が見られたら、認知症の初期症状といえます。できるだけ早めに専門医の診察を受け、症状を悪化させないよう対処することが望まれます。   ●中核症状認知症の症状は大きく「中核症状と「周辺症状(BPSD)に分けられます。中核症状には、「記憶障害」「見当識障害」「失認・失行・失語」「実行機能障害・判断力障害があります。認知症の原因となる疾患によって脳細胞が委縮し変性するために起こると見られています。【記憶障害】食事の内容はもちろん、食事したこと自体を忘れてしまいます。薬を飲んだかどうかも忘れてしまうため、服薬治療を受けている場合は注意が必要です。 【見当識障害】日付や曜日、季節、さらには今いる場所がわからないという障害です。そのため外出したら戻れなくなる症状が現れます。 【失認、失行、失語】失認は五感の感覚が働かない状態です。失行は、手足はマヒしていないのに、当たり前のようにできていた「歯みがき」や「ネクタイを締める」といった行動ができない状態のことを指します。失語は言葉を聞く・話す・読む・書くという言語情報に関する機能が働かない状態です。 【実行機能障害、判断力障害】以前は段取り通りにできていた行動や善悪などの判断ができなくなる状態です。例えば、料理ができなくなったり、リモコンを使ってテレビのスイッチを入れられなくなる例がよく知られています。これらの障害のために、認知症の人は過去・現在・未来という連続性の中で自分や物事をとらえることができなくなり、過去の記憶をたどることも未来を予測することもできず、不安な感覚に陥ってしまいます。その結果、落ち着かない言動を取ったり、繰り返し同じ質問をしたりする行動が見られるようになります。   ●周辺症状脳の器質性の病変によって認知機能に障害を持つ人が現実生活に適応しようとしたときに生じます。具体的には「徘徊」「抑うつ」「失禁・弄便」「幻覚」「妄想」「睡眠障害」「暴言・暴力」などです。 【徘徊】あてもなく歩き回ることを指します。従来は目的もなくさまようと考えられていましたが、最近では認知症の人は何か目的があってどこかを目指しているという見方もあります。 【抑うつ】気分が落ち込んで活動することを嫌がる状態です。思考や感情が閉鎖的になる中で頑張り続けるとうつ病へと進展することがあります。 【失禁】意思に沿わず便をもらしてしまうことです。弄便は、排泄した便をいじり壁や床などにこすりつけたりする行為です。 【幻覚】実際には外部からの感覚的刺激が与えられていないにもかかわらず、刺激を受けたと感じ、幻視や幻聴が起こります。 【妄想】例えば、誰も何もしていないのに、「財布を盗まれた」と思い込む状態が妄想です。いくら「誰も盗んでいない」と説明しても、認知症の本人は容易に理解できません。 【睡眠障害】眠れなくなる状態のことです。体内時計を司る神経が異常をきたすことにより起こります。昼夜逆転が当たり前になると、介護者の負担も大きくなります。 【暴言、暴力】いろいろなことが理解できなくなっている認知症患者の焦燥や怒りが、本人または他者に向けた攻撃的行為となって現れることがあります。普通の人なら我慢できることでも、認知症によって感情を抑えられなくなっていると考えられています。   認知症の人への対応のポイント   認知症の人への対応についてご紹介します。 対応方法のひとつは、自分が必要な存在だと認識させることです。本人ができることは何かを把握して、できることをお願いすると、達成感や互いの信頼感につながります。そのときは感謝の気持ちを伝えましょう。少し大げさに褒めるくらいで良いでしょう。 プライドを傷つけないことも大事です。「叱らない」「指摘しない」「否定・議論しない」よう注意しましょう。できるだけ相手の意思を受け止めて汲み取るようにして、穏やかな声で対応しましょう。何度も言い聞かせようとしても、認知症の人には意味がわからず、反感を抱かせることにつながります。 また、なるべく環境を変えないようにして、人間関係、生活環境、生活習慣を認知症の人のリズムやペースに合わせてあげることも大切です。孤独にさせないで人と関わる時間を定期的に設けてあげましょう。在宅であれば時々話しをかけ、施設であれば他の入所者と顔を合わせ、交流する機会を設けると良いでしょう。孤独は不安感を募らせ、不安感は認知症を悪化させます。 認知症の人の行動をよく観察することも重要です。なんとなくソワソワしてきたらトイレに行きたそうだとか、今の介護を嫌がっていないか反応に注意するなど、さまざまな変化を見逃さない心掛けが必要です。

次回 認知症について③『介護疲れしないための工夫』に続きます。

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