食が細くなり中々食事が進まない方への対応
2016年11月 9日 13:00
高齢に伴い食事が進まなくなる原因例
➀食欲不振
➁咀嚼・嚥下機能の低下
➂味覚の低下
➃運動不足
➄病気による食事の制限
食事が食べられなくなる原因は様々です。複雑に関係し放置していると、徐々に体力が落ちて疲れやすくなるだけでなく、免疫力の低下から病気になりやすくなり、運動不足になって更なる食欲不振につながるといった低栄養の負のスパイラルに陥りやすくなります。今回はそんな栄養不足を予防する為の工夫についてご紹介します。
1 彩り鮮やかに工夫して食欲増進
見た目にも美味しそうな料理は、食べたい気持ちを起こさせ食欲につながります。同じように匂いや雰囲気も大きく影響しますので工夫してみましょう。
2 食べる環境を整える
まずは生活リズムを整え、食事時間にはお腹が空くように日中は活動的に、夜間はしっかり睡眠をとることから始めましょう。「空腹感は最高のスパイス」と言われることもあり、気分転換もかねて散歩に行く等の工夫をしてみましょう。また、歯の欠損などしっかり物を噛めないと食事も美味しく感じません。定期的に歯科検診に行き、チェックするなどいつまでも咀嚼力を維持できる工夫をしましょう。口の中が汚いと食事を美味しく感じません。歯磨きなど口の中を清潔に保つことも忘れずにしましょう。
3 食べやすくなる工夫
高齢に伴い咀嚼力の低下や食事や水分でムセたり、うまく飲み込めなくなる嚥下障害が多くなってきます。そのまましておくと食べ物や飲み物を充分に摂取できずに栄養や水分が不足し、体力低下・脱水症などを引き起こします。食事をする上で気になる症状がありましたら早めに受診をし、医師に相談するなど嚥下障害の有無の確認をしましょう。
軟らかく調理する、食べやすい大きさに切る、適度に水分を含ませる、まとまりをつけるといった症状に合った調理の工夫をすることで食べやすくなります。水は最もムセやすい食材の一つです。サラサラして気管に入りやすいので注意が必要ですがトロミ調整食品を活用し、嚥下状態に合った適度なとろみを付けることでムセなく摂取できるようになります。
4 食事を少量ずつに
一度にたくさんの量は食べられないものです。3食の食事の他に10時や15時などの感触の時間を設け、乳製品や卵を使用したのど越しの良いおやつ(卵豆腐・プリン・ヨーグルト・ポタージュスープ等)を取り入れてみるのはいかがでしょうか?
5 やわらか食品の紹介
噛む力や飲みこむ力の程度別に、軟らかさや粘度の区分分けがされた表示が付いた商品が様々な業者から販売されています。歯が無く咀嚼力が十分でない方は「歯茎でつぶせる」区分の商品を選択する等、その方々の噛む力や飲み込む力に合った商品を選ぶことが出来るようになっています。商品もレトルトになっているものなど簡単に調理でき、ゆっくり調理できない時に活用しやすいのも特徴です。
6 栄養補助食品の活用
少量でもエネルギー・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどが強化されている食品が販売されています。その味や形状も強化されている栄養素も様々ではありますが、上手に専門家のアドバイスをもらいながら選択し活用すると、効率よく栄養素を摂取でき食事が中々進まない方にはオススメです。飲料タイプでムセやすい方はムース状やババロア状などの飲み込みやすい物を選択することで、デザート感覚で摂取すると食べやすく無理せず栄養補給ができます。
やわらか食品やトロミ調整食品、栄養補助食品は通信販売などで購入できますが、選択の仕方や使用方法を間違えると効果が思うように得られなかったり違う病気の原因にもなりかねませんので、活用する際には医師や管理栄養士などの専門家に相談し使用しましょう。



