転倒予防について【転倒の要因】
2020年1月28日 09:27
(1)転倒の原因について
高齢者では骨が弱くなっていることが多く、容易に骨折を起こします。また、転倒により歩くことへの恐怖心が湧き上がることも注意が必要です。恐怖心により、歩かなくなることは廃用性症候群をきたしやすく、さらに身体機能を低下させ、転倒を助長することになります。 (図1)
前回、転倒予防について ~リビング~でお話しした、転倒が起こる要因には「身体による要因」と「環境による要因」の2つをあげましたが、もう少し詳しく説明します(図2)。
いつもこの場所で転びそうになる、何度も転倒している場所などがあれば対処は、それほど難しくはありません。いつもは大丈夫だけど、たまたま転んでしまったなど、だれが、どこで、いつ転ぶかは予想が難しいのが通常です。
また今回は新たに転倒のリスク要因についてご説明します。
先行研究からみた転倒危険要因を見てみましょう。Rubensteinらによれば、筋力低下が最も転倒リスクが高く、ついで転倒経験、歩行障害、バランス障害としています。筋力低下が低い方は高い方に比べ4.4倍転倒リスクが上昇します(図3)。
また、ここには述べられていませんが、薬も転倒要因になります。どんな薬を飲んでいるかわからない場合は、およそ4〜5種類の薬を飲んでいる人はなんらかの影響を受ける可能性があるとしておきましょう。
次回「浴室での注意点・対策」と「転倒予防に有効なグッズ」に続きます。


