知的障害者って何が障害なのだろう
2016年7月 6日 11:49

最近、テレビやニュースで「知的障害者」が取り上げられていることが多くありませんか?
でも、普段生活している私たちにとってなじみがあまりない言葉なのではないでしょうか?
なんとなく知ってはいるけど、深くは関わったことはない。そんな感覚なのではないかなと思います。
インターネットで検索をするとこんなことが出てきます。
知的障害とは・・・
① 知的機能に制約があること
② 適応行動に制約を伴う状態があること
③ 発達期に生じる障害であること
の3点で定義されるが、一般的には金銭管理・読み書き・計算など、日常生活や学校生活の上で頭脳を使う知的行動に支障があることを指す。
確かにそうだと思います。しかしご本人達の言葉ではないのかと、そんな風に思います。
今日は、普段この江古田の森で生活している利用者さんの生活支援をしてきた中で私が感じた、知的障害者の方の「障害」について書いてみたいと思います。
江古田の森には入所(毎日の生活を暮らしている方)30名、生活介護(自宅から江古田の森に通われている方)9名の39名のいろんな個性を持った知的障害者の方が利用されています。
24時間365日過ごされているわけですから、時には、周りの人が困ってしまうような行動が出てしまう方もいます。突然どこかに行ってしまいたくなったり、人の物を欲しくなってしまったり、泣いてしまったり・・・例えばそんな行動です。
一見すると、そのような行動を起こしてしまうことが障害という風に思われるかもしれません。でも、その様な行動に繋がってしまう原因の部分が障害なのではないかと思います。
それは、つまり・・・
自分の気持ちや思っていることを上手に他者に伝える事が出来ないということが知的障害者の方の1番の障害なのではないでしょうか?
辛くても、悲しくても、楽しくても、嬉しくても、それを素直に他者に伝える事が出来ない、伝えるための手段が上手くないそれが大きな障害なのだと思います。

私たちは支援に入る際その事をしっかりと頭に入れて毎日利用者さんに向き合っています。
それは、利用者さんは上手く伝えられないなりに、本人なりの方法で精一杯気持ちを伝えてくれているからです。
なぜかというと、その方法は一見すると何の意味も持たないような仕草、動作であったり、また、表面上は他者に害を加える行為等であったりするからです。
もし、このコラムを呼んで下さった皆さんが、町で障害を持った方が困っている姿を見かけたら、怖がらず笑顔で関わって頂けると幸いです。地域社会のたくさんの方々の理解と助け合いがあることで、その「障害の壁」は無くなっていくからです。