ご当地の鍋・煮込み料理
2021年3月 2日 09:02
暦上では立春を過ぎ、少しずつ春が近づいてきます。まだまだ寒い日はありますが、そんな日はご自宅で温かい鍋、煮込み料理はいかかでしょうか。
ご当地の料理でお食事だけでも旅気分を味わってみてください。
石狩鍋 北海道
「石狩鍋」は鮭のブツ切りと野菜を味噌仕立ての汁で煮込む鍋料理で、北海道石狩地方の郷土料理です。鮭の身のブツ切りの他に骨などのアラを入れて昆布と共に出汁をとって味噌仕立ての鍋にしますが、酒粕を入れたり牛乳やバターを入れる事もあります。北海道中西部の石狩川は秋に産卵の為に大量のサケが遡上する事で有名で、江戸時代からサケ漁が盛んに行われていました。石狩地方の漁師は漁の合間に新鮮なサケを豪快にブツ切りにして余すところなく鍋で味わったのが「石狩鍋」のはじまりといわれています。
きりたんぽ鍋 秋田県
「きりたんぽ鍋」は炊いたご飯をすり潰して木の棒に棒状に塗りつけて焼いたものを地鶏、ねぎ、きのこ、ごぼう、せりなどを入れた鶏がらのスープで煮込んだ鍋料理で、秋田県北部の郷土料理です。秋田では新米が収穫できる秋から冬にかけて食べられる鍋料理で、秋田産の「あきたこまち」などの新米、日本三大地鶏の一つである「比内地鶏」、根をつけたままの地元産のセリ、山で採れた舞茸など地元の食材をふんだんに使っています。
のっぺい汁 新潟県
新潟県の郷土料理として知られていますが、実は全国各地に昔から伝わる郷土料理です。里芋、ごぼう、れんこん、にんじんなど季節の野菜をふんだんに用いて、鶏肉や鮭などを入れる事もあります。新潟の場合は具材を中心にした煮込み料理でとろみがあるのが特徴です。
ほうとう 山梨県
「ほうとう」は小麦粉を練った生地で作った幅広の太麺をたくさんの野菜と一緒に味噌仕立ての汁で煮込んだ料理で、山梨県の郷土料理です。うどんやそばと違って生麺をそのまま具材と一緒に煮込むので、汁にとろみがついて冷めにくいのが特徴です。麺には塩を練り込まないのでコシはありませんが、湯掻いて塩抜きする必要もないので一緒に煮込む事ができます。
水炊き 福岡県
「水炊き」は骨付きの鶏肉を水から煮込み、キャベツ、長ネギ、水菜、春菊、椎茸などの野菜や豆腐やしらたきなど好みの具材を入れて、ポン酢で食べる鍋料理で、福岡県の郷土料理です。元々は骨付きの鶏肉を煮込んで出汁をとり、鶏肉と出汁のきいたスープを味わう素朴な料理でしたが、野菜などを一緒に煮込む事で具材も豊富な鍋料理となりました。鶏肉を水から炊くので鶏の旨味が十分出たスープになり、「水炊き」の名前通り、スープには基本的に調味料は加えません。
☆レシピ☆ のっぺい汁
材料(4人分)
・こんにゃく 1/2枚
・ごぼう 1/3本
・鶏もも肉 120g
・里芋 小4個
・人参 1/2本
・大根 4cm分
・長葱 1/2本
・水溶き片栗粉
A ・和風顆粒だし 小さじ1
・水 5カップ
B ・醤油 大さじ1
・塩 小さじ1
①こんにゃくは短冊切り、ごぼうはささがき、鶏もも肉と里芋は一口大、人参と大根はいちょう切り、長葱は小口切りにする。
②ごぼうは下ゆでする。
③②の鍋に長葱以外の残りの材料を入れAを加えてしばらく煮込む。
④Bを加えて味を調える。
⑤水溶き片栗粉で軽くとろみをつけ、長葱を加えてひと煮立ちさせれば完成。