脳卒中発症時の対応について
2021年3月 9日 10:35
先日某有名芸能人が前大脳動脈解離によるくも膜下出血、脳梗塞を発症し救急搬送されたというニュースがありました。元気に復帰されてひと安心しましたが、発症時は少し呂律が回らず、左の手足が一時的に麻痺して、意識もボーっとしていたそうです。奥様が迅速に救急車を呼んだことが早期復帰につながったと言われています。
誰でも、いつどこでも起こりうることですので、「脳卒中ではないか?」と気づき、対応するために知っておきたいことを記載したいと思います。
○脳卒中を判断するポイント:「FAST」
脳卒中では、以下のような症状が突然起こります。
・片方の手足・顔半分の麻痺・しびれが起こる(手足のみ、顔のみの場合もあります)
・呂律が回らない、言葉が出ない、他人の言うことを理解できない
・立てない、歩けない、ふらふらする
・片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠ける
・経験したことのない激しい頭痛がする
※近畿大学病院ホームページより一部抜粋
上記のような症状が一つでもあてはまったら、脳卒中の疑いがあります。
症状や対応を「FAST」と覚えておくと対応しやすいです。
F(Face)かお : 顔の半分が垂れ下がっているように見える、口角が上がらない
A(Arm)うで : 両腕を前に出して目を閉じると片方の腕が下がる、または片方だけ上がらない
S(Speech)話 : 会話が上手く成立しない、呂律が回らない
T(Time)時間 : 一刻も早く救急車を呼んで専門病院に行きましょう!!
※症状の出始めた時刻を救急隊員に伝えて下さい!
○脳卒中の予後について
脳卒中の急性期治療は、開始が早ければ早いほど有利です。急性期治療が遅れると、命を落としたり、重い後遺症が残ってしまったりする場合があります。「FAST」の「T」、早期発見と迅速な対応が予後を左右します。できるだけ早期の治療とリハビリが肝になります。
○脳卒中を予防するには
脳卒中を引き起こす主な原因は動脈硬化です。その要因として、高血圧・高脂血症・糖尿病・喫煙などがあります。つまり、脳卒中は生活習慣病が要因となっているのです。脳卒中になりにくい体を作るためには、生活を見直す必要があります。栄養バランスのとれた食事をする、適度な運動をする、喫煙をしない、過度な飲酒を控える、ストレスをためない、睡眠を十分にとるetc...
なんだか制約が多くて大変な気がしますが、なってからでは遅いのです。身近にいる大事な人の事を考えてみて、自らの生活を改めてみることが必要ではないでしょうか。