グループホームってどんなところ?~地域で暮らす障害者のためのグループホーム~
2021年5月19日 08:38
障害福祉制度では、居住の場の支援は大きく分けて施設入所支援と共同生活援助(グループホーム)の2つがあります。以前は郊外にあって100人規模の定員を持つ施設入所支援が主流でしたが、障がい者が住み慣れた地域で生活できることを目指し、より家庭に近い環境であるグループホームが普及してきました。
実際、施設入所とグループホームはどのような違いがあるのでしょうか。
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施設入所 |
グループホーム |
役割 |
施設入所支援を行うとともに、施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設 |
主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談、入浴、排せつまたは食事の介護その他の日常生活上の援助を行う |
定員 |
最低定員30名 以前は100名前後の大規模な施設が多かったが、近年は40名前後が多い。 |
最低定員4名。4~7名程度が多い 近年は20名程度の大規模なところもあり |
対象者 |
障害支援区分4以上 (50歳以上は区分3以上) |
障害支援区分の条件なし (比較的軽度~中度の方が多い) |
居室 |
古い施設では大部屋もあるが、新しい施設では個室が多い。 |
原則個室 |
費用 |
家賃なし。ほとんど障害基礎年金の範囲内で賄える |
家賃があり、費用は様々 行政の支給で家賃の補足給付がある |
日中活動 |
施設の敷地内にある生活介護や作業所を利用 |
敷地外にある作業所や生活介護を利用。一般企業に就職するケースもあり |
外出 |
日中活動で外出の機会あり |
外部サービス(移動支援等)を利用して外出可能 |
スタッフ |
生活支援員、看護師、医師、サービス管理責任者、管理者 |
世話人、生活支援員、サービス管理責任者、管理者 |
上記の表のように異なる点がありますが、いずれも現状では空きが少なく、居住サービスとしての供給はまだ十分とは言えません。ただ近年はグループホームが空き家活用として注目されていることもあり、運営主体もNPO法人や株式会社など入所施設より多岐に渡り、今後さらに増えていく見込みがあります。
もう一つ現状として、入所施設・グループホームとも入居者の高齢化が挙げられます。グループホームでは日中の支援を行なわないことがこれまでの前提でしたが、高齢化の現状に即して、介助や日中支援も行うサービス類型が出てきています。
具体的には、次のとおりです。
①介護サービス包括型:グループホームの職員が食事、入浴、トイレなどの介助を提供
②外部サービス利用型:外部のヘルパー事業所から派遣された職員も交えて食事、入浴、トイレ等の介助を提供
③日中サービス支援型:日中の時間帯も職員が配置され、グループホームで過ごすことができる
一方、1人暮らしを目指す方や比較的自立されている方には「サテライト型」があります。ワンルームマンション等にて生活し、必要に応じてグループホーム本体から世話人や支援員が出向いて支援するタイプです。
障がい者の居住サービスはまだ選択肢が多くはない状況もありますが、一人ひとりが自分に合った住まいの場を選べることが望まれます。どんな暮らしをしたいか、考える際に参考にしてみてください。