【食事前の嚥下体操】
2021年9月30日 09:10
今月は嚥下(えんげ)体操についてご説明したいと思います。
まず、嚥下とは食事での飲み込み動作の事です。食事では歯や舌、口回りの筋肉を使って食べ物を細かくした後、食道から胃へと食べ物を運んでいきます。嚥下体操とはこのような食事動作の中で必要な筋肉を動かす体操の事です。
年を重ねるとともに舌の運動機能や咀嚼能力(「そしゃく」とは食べ物をかみ砕く事)の低下に加え、唾液の分泌量も低下し食物が飲み込みにくくなります。
その結果、食べ物の一部が誤って気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)を引き起こすリスクが高まり、それが続く事で誤嚥性肺炎にかかる事があります。
食事前の10分間の嚥下体操で舌や咀嚼筋の準備運動や唾液分泌を促しながら誤嚥のリスクを低くして安全でおいしい食事をできるだけ長く楽しみましょう。
①深呼吸:
リラックスして腰掛けた状態でおなかに手を当てゆっくり深呼吸をします。
②首の体操:
→左右ともにゆっくり後ろを振り返ります。
→耳が肩につくようにゆっくり首を左右に倒します。
→首を左右にゆっくりと1回ずつ回します。
③肩の体操:
→ゆっくり両手を上げ下げします。
→肩を挙げたのちストンと力を抜いて落とします。
→胸を張ったり、猫背にしたりしながら肩を前後に動かします
④口の体操:口をすぼめたり(ウー)横に広げたり(イー)します。
⑤頬の体操:ほほを膨らませたりすぼめたりします。
⑥舌の体操:舌を前に出したり上下左右に動かしたりします。
⑦発音の練習:「パ」、「タ」、「カ」、「ラ」をゆっくりハッキリという。
⑧咳払い:おなかを抑えてエヘンと咳ばらいをします。