知っていますか? 世界の「だし」いろいろ
2023年4月12日 08:52
広く様々な料理で利用され、まさに"味付けの土台"としての役割を果たしてくれるのが「だし」です。だしは材料別に動物性と植物性に分類でき、それぞれ異なる"旨み"成分と言われる各種アミノ酸で構成されています。
○獣鳥肉および骨、魚介類肉および骨等の動物性材料
・ イノシン酸(獣鳥肉、魚介類)
・ コハク酸(貝類) 等
○椎茸・生野菜などの植物性材料
・ グルタミン酸(昆布)
・ グアニル酸(椎茸) 等
1種類の食材だけでなく、複数の食材を合わせてだしをとることも多いです。
西洋料理のだし 「ブイヨン」 「フォン」
・ブイヨン(丸鶏・牛肉・野菜)
丸鶏・塊の牛肉・水・塩を入れ加熱し、沸騰したら火を弱め、アクをすくいながら1時間程煮出し、野菜・香草を加えてさらに1~2時間アクを取りながら煮出す。
用途 スープ類全般
・フォンドヴォー(仔牛肉、骨・野菜)
塊の仔牛の肉と粗切りにした野菜を色づくまで炒めたものと骨をオーブンで焼き色がつくまで焼いたものに香草・塩・水を加えてアクをすくいながら、5~6時間煮出す。
用途 煮込み料理、ブラウンソース
・フュメドポワソン(魚のアラ、野菜)
下処理として①魚のアラに塩をふり10分以上おいた後、②よく水で洗い、③熱湯にくぐらせ、④すぐに水にとって血合いやウロコを取り除く。その後、野菜・香草と共に、20~30分煮出す。
用途 魚料理
中国料理のだし 「湯(タン)」
・毛(マオ)湯(タン)(鶏ガラ・豚骨)、上湯(サンタン)(骨付き鶏肉・豚肉)
下処理として鶏・豚は十分に水洗いし、沸騰した湯の中に入れてひと煮立ちさせ、アクが出たところで冷水にとって再度水洗いをする。その後、アクをすくいながら、2~3時間煮出す。臭み除去に生姜や長ネギを使用する。
用途 中華スープ、中華炒め
・頂(デイン)湯(タン)(上湯(サンタン)、鶏ささ身)
上湯(サンタン)に鶏ささ身をひき肉にして水で溶きのばしたものを加え、静かに煮出す。高級食材の金華ハムをだしの材料に加えることも多い。
用途 フカヒレ料理、燕の巣料理
・白湯(パイタン)(豚骨・豚足・豚の背脂・鶏の足)
毛(マオ)湯(タン)と同様に下処理を行い、アクをすくいながら、強火で2~3時間煮出す。途中、水量が少なくなったら、水を足して水量を元に戻し、さらに強火で2~3時間煮出す。
用途 中華スープ、ラーメン