この時期、熱中症・脱水症に要注意!!~症状や予防についての知識を持とう~
2023年7月19日 16:04
1.熱中症とは
・熱中症は、猛暑をはじめとしたさまざまな原因で体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れる事で、体温調節機能が働かなくなってしまい引き起こされます。その症状は、軽いものから重度のものまで様々です。
ここでは、熱中症の症状の重さ別に、I度からIII度までの3つの段階に分けて見ていきましょう。
●I度 ... その場の応急処置で対応できる程度の軽い症状
・立ちくらみやめまい
・筋肉痛
・筋肉の硬直(こむら返り)
・大量の発汗
●II度 ... 病院への搬送が必要な中等症
・頭痛
・気分の不快
・吐き気
・嘔吐
・倦怠感や虚脱感
●III度 ... 入院や集中的な治療が必要となる重症
・意識障害
・けいれん
・手足の運動障害
・高体温(体に触ると熱い状態で、いわゆる熱射病や重度の日射病とされる症状)
2.熱中症になりやすい人がいます
さらに、高齢者の方々は寒さに敏感になっているかも!!
エアコンの適正温度の指標として28度という目安が出ています。ただし、個々人によって体感温度は異なりますので、目安としては暑さで寝苦しくなく眠ることの出来る温度が良いと考えられます。また高齢者の方々は、エアコンや扇風機の使用を嫌がる方も多く見られるようです。
その理由は、加齢現象により寒さを強く感じるようになる為なのです。人の皮膚には暑さを感じる神経(温感神経=温受容器)と寒さを感じる神経(冷感神経=冷受容器)の2種類が分布しており、皮膚の表面に多くの冷感神経を、深い部位に少ない温感神経を持っています。加齢と共に両方の神経が減少し、最終的には冷感神経多くが残るようになります。その結果、高齢者の方は暑さよりも寒さを敏感に感じてしまうのです。その生理的な加齢現象を良く理解して、高齢者の方は上着や膝掛けを使用してでも良いので、エアコンを使う事が大切です
3.例年これほどの人数が熱中症を発症しています!
〇全国の熱中症による救急搬送状況の年齢区分別、発生場所別の
内訳は次の通りです。
・年齢区分別:高齢者が最も多く、次いで成人、少年、 乳幼児の順となって
います。
・発生場所別:住居が最も多く、次いで道路、公衆(屋外)、仕事場の順とな
っています。
※また、下記表にある通り救急搬送人員及び死亡者数では、7月・8月と人数が増加しています!!
4.水分補給は十分に出来ていますか?
◇水分補給は1日8回!!
水分補給のタイミングは、成人であれば「喉が渇きそうになったら」、「喉が渇いたらすぐに」で間に合います。しかし、高齢者の方ではそうはいきません。その理由は、加齢と共に口渇感を感じにくくなるからです。喉が渇く感じになるのを待っていては、水分摂取のタイミングが遅れてしまいます。高齢者では、薬を飲むタイミングと同じように、つまり時間を決めて水分を摂取するようにしましょう。1日の水分補給のタイミングとしては、8回に分けて飲水すると良いでしょう。ここで、一度に摂取する水分量はコップ1杯程度(180~200mL)にして下さい。一度に多量の飲料を摂取すると身体は水分が増えたと勘違いし、せっかく取った水分を尿として排出してしまいます。身体が勘違いしないように、少しずつ水分補給していくことが効果的です。
5.まとめ
最後まで読んで頂き有難う御座います。
今回の内容を読んで頂いた方の中にも、心当たりがある方はいませんか?ご自身が感じている以上に、お身体は悲鳴を上げているかもしれません!!特に高齢者の方々でお一人暮らしの方では、症状な酷くなるに伴いご自身での対応が困難になる場合も考えられる為、未然に防ぐ事が重要になります。まずは、簡単な予防策として水分補給・室内温度の設定を普段から心掛けていきましょう!!
【参考・引用文献】
・熱中症ゼロへ みんなの力で熱中症をゼロにしよう
https://www.netsuzero.jp/learning/le01
・時事メディカル 熱中症の予防策(前編) ~暑熱環境から身を守る~ 第3回
https://medical.jiji.com/column5/52
・時事メディカル 熱中症の予防策(後編) ~脱水症を予防する水分補給策~ 第4回
https://medical.jiji.com/column5/53
・全国健康保険協会 協会けんぽ 6月脱水・熱中症に注意を!
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h29/290601/
・くらしの中に総務省 報道資料 令和4年10月28日消防庁 ~令和4年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況~
000842440.pdf (soumu.go.jp)