認知症ケア
2023年11月28日 16:46
皆様、こんにちは。急な冬の寒さに体調は崩していませんか。
今年は秋の気候がなく少し寂しいですが、残すところ1ヶ月となりましたね。
私事ではございますが、先日「認知症実践者研修」という研修を受けてまいりました。
学んだ知識を少しでも皆様にお伝えできたらと思い、今回のテーマを「認知症ケア」とさせていただきました。
コロナ禍でなかなかご家族様同士会えない状況が続いておりますが、少しでも施設の中でのケア方法や接し方を知って頂く良い機会となればと感じております。
1，認知症とは
まず、認知症について簡単ではありますが、説明させていただきます。
認知症は、何らかの病気や障害などの様々な原因によって、記憶や判断などを行う脳の機能（認知機能)が低下し、日常生活や仕事に支障をきたすようになった状態のことをいいます。
認知症の症状は「認知機能低下」と「行動・心理症状：BPSD」に分かれます。
認知機能低下は、神経細胞が壊れるなどの脳の変化にともなって生じる記憶障害や理解、判断力の低下などの症状です。物忘れだけが認知症の症状ではないのです。
行動・心理症状は、認知機能低下に本人の性格や周囲の環境、人間関係など様々な要因が作用して起こる不安や焦燥、徘徊など心理面、行動面の症状のことをいいます。
「認知症」と一つの言葉で表現されていますが、症状はとても多彩です。また、どのような症状が起きるかは認知症の原因や本人の性格、人となり、周囲の環境によっても変わってくるのです。
２，江古田の森 「認知症ケアの理念」
ここで当施設、江古田の森での認知症ケアに対する"理念"を紹介させていただきます。
・「わたしたちは、あなたを知ろうとすること、世界を創造する事に努力を惜しみません」
・「専門知識に基づく認知症ケアを提供し、生きる力を支え続けます。」
この２つのことをモットーに江古田の森職員は利用者様と接しております。
また、「聴く」「観る」「待つ」の３つのキーワードは江古田の森の行動指針として日々職員一人一人が念頭に置いています。
認知症の方、一人ひとりを人として尊重し、その人の視点や立場に立って理解をしながらケアを行うことを認知症のケアの基本としております。
３，認知症ケアにおいて大切なこと
認知症のケアで大切なことは、認知症の方を現実の世界に対応させるのではなく、「我々が認知症の方が持っている世界を理解して、その世界に合わせた対応をする」ことです。
とは言いましても、なかなかそう上手くはできませんよね。つい、介護者側も焦って叱り口調で話してしまったり、急かしてしまったりと想いを伝えたいばかりにコミュニケーションが上手に取れないことが多々あると思います。ですが、そのような接し方は認知症の方にとても敏感に伝わってしまいます。認知症の方は、言葉が十分に理解できなくなると、相手の表情・語気・まなざし・ふれあいなどの他のコミュニケーション方法で、周囲の状況を理解しようとします。すると感情面が研ぎ澄まされて、相手の様子に敏感に反応することがあるのです。そして相手によく思われていないことに不安を感じ、相手が興奮していることに興奮して、そんな自分にさらに興奮してしまうという悪循環を招く事もあります。
最初は、認知症の方の世界を少しずつ理解していきながら、寄り添ったケアを行っていきましょう。それでは最後に寄り添ったケアの大切なポイントを５つ紹介して終わりにしたいと思います。
①相手のペースに合わせて見守る
理解力や判断力が低下しており、日常生活で危険が伴うことがあると思いますが、全てのことに介入し過ぎず、まずは自主性や主体性を尊重しましょう。
②プライドを傷つけない
認知症が進行しても、自尊心は失われないといわれております。まずは、本人の言葉にじっくりと耳を傾けましょう。
③理解しやすい言葉で簡潔に話す
認知症の方は、脳の機能が低下しているため、こちらの言葉をすぐに理解できないことがあります。一度で多く伝えるのではなく、一つ一つかみ砕いて伝えることが大切です。
④余裕を持って対応する
焦りや不安、苛立ちなどのマイナスの感情は、相手に伝わりやすいものです。相手を動揺させないためにも、自然な笑顔で接するように心がけましょう。
⑤できるだけ1人で声をかける
複数人の人話し掛けると混乱しやすくなり、恐怖心を抱かせる恐れもあります。声を掛ける時は、できるだけ1対１で行いましょう。
いかがでしたか？認知症のケア方法に関して少しは大切なポイントが見えてきたでしょうか。認知症の症状は一人一人違います。その方に合った関わり方や接し方、介助方法を見つけて寄り添ったケアを行いましょう。江古田の森職員一同、利用者様の生きる力を支え続けていきます。
これから年を越すにつれて本格的な寒さとなりますが、体調管理には気をつけてお過ごしください。段々とコロナも落ち着き始め、面会の幅も広がっておりますのでお時間ございましたら、ご家族様に会いにいらしてください。お待ちしております。
