フレイル予防をしましょう
2025年2月26日 10:34
フレイルをご存じですか?フレイルとは加齢による身体や精神の働きの低下、また社会的なつながりが弱くなった状態を指します。
「健康」と「要介護」の中間にある状態のことです。そのまま放置すると要介護状態になる可能性があります。
大事なことは早めに気づいて適切な取り組みを行うことです。そうすればフレイルの進行を防ぎ、健康に戻ることができます。
フレイルには主に3つの要素があるとされています。
「身体」のフレイル:足腰の筋力が衰えて、立ったり歩いたりするのがつらい状態。
「精神・心理」のフレイル:認知機能の低下や軽度のうつ症状になる状態。
「社会性」のフレイル:人との関わりがなくなって孤独感が深まるような状態。
こうしたことが重なったり連鎖したりして、自立して生活する力が全般的に下がってしまうのです。
フレイルは「自覚することが難しい」といわれていて、自分自身の状態にいち早く気付き、状態を改善したり、維持につなげたりしていくことが重要だとされています。
自分や家族がフレイルなのか心配だという人のために、セルフチェックする方法をご紹介します。
1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
3.歩行速度の低下:信号のある横断歩行を渡り切るのが大変(青になってから渡り始めたとき)など
4.握力の低下:ペットボトルのふたを自分で開けられないなど
5.身体活動量の低下:ウォーキングなど運動を週1回以上していない、外出を週1回以上していない、この1年間で転んだことがあるなど
※3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
フレイルを予防するためにできること
1.食事
低栄養は筋力低下を招く大きな要因です。毎日の食事を通して必要な栄養素をしっかり取ることで、筋肉や骨を強くすることができます。
食事は「主食」「主菜」「副菜」「汁物」と、バランスの取れた献立を心がけましょう。
筋肉のもとになる魚、肉、卵、大豆製品に加え、骨を強くする牛乳や乳製品も積極的に食べると効果的です。
2.口腔・嚥下機能のケア
食べることに関連して「口腔機能」「嚥下機能」を維持することも重要です。「歯が減ってしまってうまく噛めない」「飲み込みづらい」という状態を放置すると、食べ物を正しく噛んで飲み込めなくなるリスクがあります。
場合によっては誤嚥性肺炎を引き起こしたり、食事がおっくうになって低栄養になったりする可能性もあるのです。食事のときはよく噛むことを意識し、何か異変を感じたら早めに受診しましょう。適切なケアで、口腔・嚥下機能を維持することが大切です。
3.運動
筋力を維持して体を活発に保つためには、やはり運動が必要不可欠です。毎日しっかり歩いたり、階段の昇り降りをしたりするだけでも、筋肉は活性化されます。一時的に激しい運動をするのではなく、継続して取り組むことが重要です。
4.社会とのつながりを持つ
高齢になると独居や夫婦二人暮らしなど、日常的に関わる相手が少なくなりがちです。人との関わりが減ると、精神的に孤独になり身体面にも悪影響をもたらします。うつが認知症を悪化させるという研究もあり、認知症予防の観点からも社会的つながりを持つことは重要です。
5.持病のコントロール
疾患が悪化すると「それまでできていたことができなくなる」「体を動かす機会が減ってしまう」など日常生活に悪影響をもたらします。結果的に身体の機能が低下したり、認知機能が衰えたりする可能性があるのです。
日頃から体調には気を配り、持病には適切な治療を受けるようにしましょう。また治療が難しい場合には、現状よりも悪化させないために医師からアドバイスを受けましょう。
6.感染症予防
持病の有無に関わらず気を付けたいのが、新型コロナウイルスやインフルエンザ、肺炎などの感染症の予防です。フレイル状態の方は免疫が低下していることが多く、通常以上に感染症にかかりやすくなっています。
さらに感染症をきっかけに療養生活や入院が続くと、心身機能が著しく低下する場合もあるのです。なかには、そのまま寝たきりの生活になるというケースもあります。
本人だけではなく家族も含めて「こまめに手洗い、うがいをする」「マスクを着用する」「予防接種をする」といった対策を徹底しましょう。
参考
NHKみんなでプラス 簡単!フレイルチェックリスト
介護のほんね フレイルとは原因・予防法・サルコペニア・廃用症候群との違いなどを簡単に紹介