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認知症と食事 ―認知症による嚥下障害と、適切な食事支援や関わり―

2026年2月26日 13:54

 日本は世界でも最も平均寿命が長く、急速に高齢化が進む「超高齢社会」です。

65歳以上の人口の割合は2024年に29.3%に達し、2045年には3人に1人が65歳以上になると見込まれています。

加齢は認知症の最大の危険因子であることから、長寿社会を生きる私たち日本人にとって、認知症はもはや遠い誰かの問題ではなく、誰にとっても身近に起こり得る可能性があるのです。

4大認知症とは?

認知症とは、記憶力、判断力、理解力、実行機能などが脳の病気や障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言います。

単なる物忘れとは異なり、時間の経過とともに症状は進行する点が特徴です。

認知症には様々な原因がありますが、

認知症の約90%を占めている4つを「4大認知症」と言います。

・アルツハイマー型認知症

新しいことをどんどん忘れていってしまう。物忘れから始まり、徐々に生活全体に影響がでてくる。一番多い認知症。

・脳血管性認知症

脳梗塞等の後遺症で起こる。できることとできないことの差が大きいのが特徴

・レビー小体型認知症

幻が見えたり、注意散漫、ぼーっとするを繰り返す。調子の良し悪しの波がある

・前頭側頭型認知症

性格や行動が大きく変わってしまう。記憶よりも言動の変化が目立つ

症状やタイプごとに異なりますが、共通して「食事」に様々な影響を及ぼします。

"どのような食事の困りごと"が起こるのでしょうか。

4大認知症と食事

■食事で起こりやすいこと

認知症の種類

食事で起こりやすいこと

アルツハイマー型

食事への興味がなくなる、食べ始めない、中断される

食具の使い方がわからない

食べた事を忘れる、食べ忘れる

賞味期限などの管理ができない、偏食、異食  など

脳血管型

箸、スプーンが上手く使えず食べられない

姿勢が崩れてしまう

半側の食事や食器を認識できず残る

上手に噛めない、飲み込めないのでムセやすい

一口量の調整ができない、スピードは速くなる  など

レビー小体型

幻視に気をとられて食事に集中できない

食欲にムラがある、ぼんやりしていて食事が進まない

食器などの位置感覚がわからず食べられない など

前頭側頭型

過食・早食い、嗜好の変化(味の好みが極端になる)

異食、盗食 など

■食事の支援(対応や工夫)

認知症の種類

対応・工夫

アルツハイマー型

食事時間を決める、次に食べる時刻を示す、支度中と伝える

食事開始を誘導、食具を持たせる等きっかけをつくる

お皿の数を減らす、声掛け

脳血管型

持ちやすい自助具を使う

机の位置や高さの工夫、適切な姿勢

半側が見えていない場合、見えている方に食器を配置

食事形態・とろみの工夫

レビー小体型

幻視あるため、食器や机、エプロンなど無地にする

(柄が虫に見えてしまうことがあり食事に集中できない)

ぼーっとしている時は無理に食べさせない

症状が落ち着いたタイミングで食事提供

薬の副作用等もあるので症状が強く出る時間を観察

滑り止め食器や皿の位置調整

前頭側頭型

小スプーンの使用、数回に分けて提供

手の届く範囲に紛らわしい物を置かない

食事に集中できる環境を整える

松花堂弁当風盛り付けにする

認知症の種類によって、食事の様子や困りごとは様々です。

だからこそ、その方の状態に合わせた食事の工夫がとても大切になります。

食べることは、「その人らしさ」を支える力

食べることは栄養を取るだけでなく、その人らしさや安心感を支える大切な時間です。

認知症があっても、周りの少しの気づきと1人ひとりの状態に寄り添った食事の工夫で日々の暮らしは穏やかで心地よいひとときに変えることができます。

 

当施設では、言語聴覚士が嚥下の状態を確認しながら、管理栄養士をはじめ多職種で連携し利用者様1人ひとりに合った食事を提案、提供し「食べる時間」を大切に支援しています。

食事や飲み込みに不安がある場合は、言語聴覚士が状態に合わせた支援を行いますので、お気軽にご相談下さい。

 

 

参考資料

日本における認知症予防の可能性-認知症の約4割は「予防」可能- ~主要因子は「難聴」、次いで「運動不足」。危険因子10%の低減で20万人の発症抑制へ~

東海大学:https://www.tokai.ac.jp/news/detail/_4_1020.html.

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