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花粉症とマスクの歴史

2026年3月24日 14:50

春になると街にあふれるマスク姿。くしゃみ・鼻水・目のかゆみ。今や日本の春の風景ですがこれは偶然ではありません。

花粉症とマスクは歴史・政策・産業・経済が絡み合って生まれたセット商品と言えるほど深い関係を持っています。

・花粉症の始まりは「個人の苦しみ」から

花粉症の研究は1819年のイギリスで始まりました。医師ジョン・ボストックは自分自身が毎年ひどい症状に悩まされ、自分の体を研究材料にして花粉症を医学的に報告します。当時は「庭のある家の人に多い=金持ち病」と誤解されていました。

・日本を花粉症大国にしたのは"戦後の政策"

日本で最初に確認された花粉症はスギではなく外来種ブタクサ。戦後の物流と荒れ地の増加が背景にありました。

しかし決定的だったのはスギの大量植林です。①戦後の住宅需要に応えるため成長の早いスギを全国に植林②花粉を多く出す品種が選ばれる③木材価格の低迷で伐採されず放置④樹齢3050年で花粉ピークへ突入

つまり木材政策の"長期的副作用"が数十年後の国民病を生んだのです。

・文明が進むほど花粉症は増える

昔の日本人に花粉症が少なかった理由のひとつに寄生虫が免疫を抑えていたという説があります。
さらに都市化が進むとアスファルトが花粉を舞い上げ、排気ガスが花粉を"攻撃的"にし、ストレス社会が免疫バランスを崩す。
花粉症は文明の発展とともに増える病気と言えるのです。

 

・マスクは"労働力を守る道具"として進化した

マスクの歴史もまた、経済と深く結びついています。

・古代ローマでは、鉱山労働者が動物の膀胱を口に当てて粉塵を防いだ
・日本では明治〜大正期工場の粉塵対策として布マスクが普及
1918年のスペイン風邪で、政府が全国的な着用を推奨し"国民的アイテム"

マスクは最初から労働者の健康=生産性を守るための道具だったのです。

・花粉症がマスク市場を巨大化させた

1980年代以降、花粉症が急増すると春のマスク需要が爆発的に増えます。

それにより使い捨てマスク市場が拡大、不織布フィルター技術が進化・マスクは"季節商品"から"通年商品"へ花粉症はマスク産業を支える巨大市場を作り出しました。

花粉症は個人の悩みのようでいて実は日本経済に大きな影響を与えています。

労働生産性低下・医療費増加の一方で、市販薬・マスク・空気清浄機の消費などにより"花粉症経済圏"が形成されています。

 

・日本の春はこうして形づくられた

花粉症とマスクは、"戦後の政策"・"外来種の侵入"・"都市化"・"技術革新"・"消費市場の拡大"これらが絡み合って生まれた、現代日本の春を象徴する風景といえます。

私たちが毎年見ている"マスクの街"は戦後日本の歴史と経済が積み重なってできたのです。

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