住環境整備の工夫について①(玄関・お部屋・階段などの工夫)
2017年6月21日 12:00
若いうちは気にしなかったけれども、歳を重ねるにつれて家の中が不自由に感じることはありませんか。実は転倒事故は家の中と屋外と同程度の発生率なのです。ここではちょっとした住環境整備の工夫や考え方について触れてみたいと思います。
●玄関内
・玄関の段差に靴履き用の椅子を用意する…立って段差を超えるより安全です。また、座って靴を履く事もできます。
・手すりを設置…玄関の床から立った時に肩の高さより10cm程上に設置します。
・踏み台…小さな段差なら上がれる場合に便利です。
・スロープ(勾配)…ある程度の広さが求められます。車いすの場合、自走をするなら30cmの段差に対して4.5m、介助で車いすを押す時は30cmの段差に対して3.6mの長さの勾配が安全のためには必要とされています。
・玄関にこだわらず、裏口や勝手口から直接出入りする方法もあります。
●各部屋
・ベッドの配置…部屋への出入りのしやすさが大事です。ベッドの端に座った時、足がつく高さが良く、ベッド柵もあるとつかまることができて安心です。
・家具の配置…行き来の邪魔にならない場所にしましょう。
・窓…サーカディアンリズム(体内時計)を整える上で光を入れることは重要です。
・台所やトイレ、浴室に居室が近いと食事や排せつも気が楽です。
・各部屋間の段差の解消:和室と洋室間では床材が異なる為、和室の方が10~50mmくらい高くなります。すりつけ板を設置して和室の高さにそろえましょう。両端もつまずき防止のために角をなくすとなお良いです。
●階段
・勾配は緩やかな方が良く、一般的には40度、高齢者には30度くらいの勾配が望ましいといわれています。
・リフト…座位姿勢が安定している必要があります。幅をとってしまうため、通行に支障がないか注意してください。
・手すり…基本的には横手すりを設置します。高さは通常750mm~800mmですが、体格や姿勢により高さを検討する必要があります。(手すりの端は、引っかかるリスクがある為、壁に曲げこむ形が望ましいです)
・エレベーター…後付型のエレベーターがあります。
・色付きのテープや足元照明などで注意を喚起する工夫などもあります。
●動線
・夜間…移動時は十分な照明を点けましょう。特に足元が重要で、荷物などの障害物を置かないようにします。手すりも設置すると便利です。
・照明…照明のスイッチは分かりやすく使いやすいところに設置しましょう。
住環境を整備するにあたっては、家族同士でよく話し合ったり、専門家に相談したりすることが大切です。