全国中学生人権作文コンテスト「車椅子専用駐車場のマナーと思いやり」のご紹介
2026年5月16日 09:30
全国中学生人権作文コンテスト テーマ「『誰か』のことじゃない。」に寄せて、
「車椅子専用駐車場のマナーと思いやり」をご紹介します。
日常の中にある"気づき"を丁寧に見つめ、介護と人権について考えるきっかけを与えてくれる作文です。ぜひご覧ください。
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皆さん、「障がい者等用駐車区画」を知っていますか。私の家は、脚に障がいを持つ祖母と一緒に暮らしています。祖母は家の中での日常生活も車椅子で過ごしており、外出の時は車椅子でそのまま乗れる福祉車両で出かけます。祖母はその車で買い物に行くのをいつも楽しみにしています。
ある日、母と祖母と一緒にスーパーへ買い物に出かけた時のことです。駐車場に着いていつも駐車している車椅子用の駐車スペースに行くと、私達の前にいた障がい車用のマークがついていない車がそのスペースに駐車しました。その車から降りてきたのは、障がいは特に無さそうなおじさんでした。足を引きずっている様子もありません。車の置く場所が無くなってしまい、母は困った顔をしていました。私はその光景を見て、とても驚いたと同時に悲しい気持になりました。
車椅子用の駐車スペースは正式には、「障がい者等用駐車区画」と言います。この設置に関してバリアフリー法(正式名称:高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)で決められており、この法律は高齢者や障がい者を含むすべての人が安全かつ快適に移動できるよう、社会全体のバリアフリー化を推進するものであり、このスペースは、車椅子利用者やその他の移動に配慮が必要な方が円滑に乗り降りできるスペースで普通の駐車スペースより広く、施設の入り口の近くに設置されています。
私の家の車は後ろのドアを開けて中からスロープを出す形なので、車の後ろ側には広いスペースが必要です。しかし、この車は普通の駐車スペースでは、スロープを出すスペースが足りず、車椅子の乗り降りが出来ません。
この日、他の車椅子用の駐車スペースがすべてふさがっていました。仕方なく、私たちは広いスペースがある駐車場の奥側のかなり離れた場所に車を停めて、私は祖母の車椅子を押してお店の入り口まで歩きました。祖母は「大丈夫よ、こういうこともたまにはあるから」とすこし笑っていましたが、その笑顔の奥には必ず悲しさがあったと感じました。このときに、私は「権利」と思いやりのという言葉について改めて考えました。「障がい者等用駐車区画」は、法律やルールで決められた特別な場所です。そこは、障がいを持つ人や高齢で歩行が難しい人が、安心安全に施設を利用できるように設けられています。それは特別な「優遇」ではなく、全ての人が同じように暮らすための「必要な配慮」です。
もし健康に問題ない人が「少しの間だけだから」と思ってそこに停めてしまえば、その一台のせいで本当に必要な人が使えなくなります。「自分さえ良ければ」という考えは、一見小さなことでも、誰かの生活を不便にしてしまうのです。
私はこの人権作文で「人権」について学びました。人権は、誰もが生まれながらに持っている大切な権利です。しかし、それを守るためにはお互いの立場を想像し、尊重する心が欠かせません。ルールを守ることはもちろんですがその根底には「相手を思いやる気持ち」が必要なのだと改めて感じました。
この出来事の後に友達に車椅子用のスペースに関して聞いてみました。多くの友達が車椅子の人優先で車を置く場所とは知っていましたが、なんで広い場所が必要かまで知っている人はいませんでした。私は祖母がいるのでこのことを知ることが出来ましたが、普通に過ごしていると分からないことなので、こういったことはもっと知ってもらうことが大切なんだと思いました。知らなければ、悪気なく同じことをしてしまう人もいるからです。
私はもっと多くの人に、「障がい者等用駐車区画」の意味や、そこに込められた思いやりを知ってもらいたいと思いました。人権を守ることは、難しいことではなく、相手の立場に立って考え、行動すること。たったそれだけのことでも社会を少しずつ優しくすることができると思います。車椅子用のスペースのルールを守ることもその一つです。これからも私は身近な場所から思いやりの輪を広げていきたいです。
